東日本大震災のあった日から、復興への取り組みを続けている岩手県陸前高田市。かつての景勝地「高田松原」には約7万本の松があったとされていますが、津波で壊滅的な被害を受け、「奇跡の一本松」のみが津波に耐えて唯一残りました。この木を保護する活動が続けられたものの、震災の翌年、枯死が判明。現在は震災遺構と復興を象徴するモニュメントとして復元・保存され、奇跡の一本松が残ったもとの場所で、東日本大震災による犠牲者への追悼と鎮魂、震災の記憶と教訓の後世への伝承するとともに、復興が進むまちを見守っています。

国指定史跡「御所野遺跡」は、世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」に数えられ、岩手県二戸郡一戸町で発見された縄文時代中期後半の拠点集落跡。現在は公園化され、竪穴建物、掘立柱建物、配石遺構による集落が再現されています。特に「土屋根の竪穴建物群」は必見。全国ではじめて竪穴建物が土屋根であったことを証明した貴重な遺跡なんです。「きききの吊り橋」を渡った先にある「縄文博物館」では、出土品の展示や映像から縄文時代の暮らしを知ることができ、豊かな自然に囲まれた「縄文の森」の散策路を辿れば、気分は縄文人！

三陸復興国立公園・三陸ジオパークの中心にある三陸を代表する景勝地の一つ。宮沢賢治も眺めたという浄土ヶ浜は、鋭くとがった白い流紋岩が林立し、常緑の松と白い岩肌、群青の海とのコントラストが鮮やかな絶景となり、日本庭園のような美しさを感じられます。常安寺の霊鏡竜湖和尚がこの景観美を前に感嘆し「さながら極楽浄土のごとし」と評したことに由来するといわれ、夏は涼を求めて多くの海水浴客で賑わい、冬になると岩肌と海岸に雪化粧が施され、また格別の美しさを誇ります。四季折々の大自然が造り出す絶景は、一見の価値あり。

岩手県下閉伊郡岩泉町にある宇霊羅山の地下に広がる「龍泉洞」。日本三大鍾乳洞の一つに数えられ、洞内に生息するコウモリと共に国の天然記念物にも指定されています。その全容は5,000mに達するといわれ、今なお調査が続けられているそう。約700mの区間が観光コースとして一般公開され、大規模な地底湖とライトアップされた多彩な鍾乳石群の造形美が見どころに。世界有数の透明度を誇る第3地底湖は、ドラゴンブルーの名の由来となった青みがかった水を湛え、息を呑む程の美しさ。大自然が創り出す神秘の絶景に癒されましょう。